JTBの月刊誌ノジュールの連載「敗れざる者」今月は元 J リーガーで、現在は弁護士の八十祐治さんです。八十さんは高校時代から選手として注目され、関西の強豪私立大からの誘いを受けるが、一浪して神戸大へ入学。卒業後はガンバ大阪から誘いを受け、順風満帆のスタートに見えた。
しかし数ヶ月後に2軍降格、翌年には解雇を告げられる。その後 J リーグの下部組織を転々とするが3年後には引退。この時31歳。4ヶ月になるお嬢さんがいた。
2ヶ月間考え抜いた末、司法試験へのチャレンジを決心する。前の職場で「あいつはプロでだめだった人でサッカーしか知らない」という陰口を言う人たちに、サッカーに打ち込んできた人間が本気になれば、何だって出来るということを見せてやると奮い立った。しかし司法試験の壁は厚く「このまま受からないのではないか」という不安に何度も押しつぶされそうになりながらも、4回目の挑戦でついに合格。家族で合格発表を見に行ったとき、大泣きする父の姿を5歳になる娘が不思議そうに見ていたという。
弁護士として3年目。まだまだ基礎固めのときと、はやる気持ちを押さえて、こつこつ勉強を積み重ねる毎日だ。