旅先ではレンタカーで移動することが多い。旧西ヨーロッパであれば、道路標識もしっかりしていて、地図が1枚あればどこにでも困らず移動ができる。
ヨーロッパで困るのは、みんな猛スピードで走ることだ。よい景色で速度を落とそうものなら、後続車から煽られる。特にラテン系はスピード狂だ。
一方、島国イギリスは、ジェントルな運転でホッとする。北部のスコットランドでは、車1台分の幅の道もあり、交差できるスペースが数百メートルごとに設けてある。大抵対向車が待っていてくれて、ライトで「おいで」と合図してくれる。
ドイツのアウトバーンの運転はかなり怖い。近年は速度制限区間もあると聞くが、なかった当時、時速140キロ走行は普通だった。路面も良いとは言えず、レンタカーのフォルクスワーゲンは、このスピードになると、ハンドルがガタガタと微動をはじめ緊張する。
驚くべきは、その隣をベンツが涼しい顔で追い抜いていくことだ。その安定感は、まさにアウトバーンを高速で走るために設計された車なのだと腑に落ちた。