カザフスタンは、ソビエト連邦時代の核実験場というイメージが、今も消えない。セミパラチンスクでは、1949年から40年の間に、約450回もの核実験が行われた。
健康被害はもちろんのこと、死産、流産、先天異常の子供の出産など、その映像は世界に衝撃を与えた。そして体の不自由を抱えて生きている方々には、放射能の脅威は今尚続く負の遺産だ。
一方、新首都ヌルスルタンは中国の一帯一路の要と位置づけられていて、豊富なオイルマネーを背景に、草原に誕生した近未来都。そのSF的風景は新しいカザフスタンの象徴となっている。
かつての首都アルマトゥイは今もこの国最大の都市で、文化、経済の中心地。名所コクトベの丘で雪を頂く美しい山を眺め、ゴーリキー公園へ。日曜日は民族衣装を着た子供たちの、様々なイベントがあって楽しい。
無名戦士の墓の前には、ウエディングカップルが次から次とお参りにやってくる。「おめでとう!」と一声かけて、シャッターを切ると、花嫁さんがニコリと微笑んだ。