これも路地裏と言っていいのだろう。この人たちにとって、海上はまさに通り道。
ここはインドネシアのブトン島沿岸、海の民バジャウの人々が暮らす海上集落だ。
彼らの生活はいたってシンプルだ。ここで魚を捕り、それを食べ、またある時は、
それを売って現金収入とする。
洗濯、水浴、排泄すべて海上で行われる。海水で洗濯して気持ち悪くないのか?
トイレはどんな風にするのか?疑問は尽きないが、みなさんの想像にお任せしよう。
彼らのような暮らしをしている人々は、ここインドネシアの他にも、フィリピン、マレーシアなどの海岸沿いに100万人以上いると言われている。元々は漁撈をしながら、島から島を漂白していたが、次第に定住しコミュニティを作っていったようだ。
家の中に上げてもらった。床は竹で組まれていて、海上から爽やかな風が吹き上げてきて心地よい。もちろん蚊もやってこない。部屋には唯一、調理用の小さなかまどがあるだけ。物を持たず笑顔で暮らす人々の何と潔いこと。(公明新聞9月3日付掲載)