ベトナムは南北約1650キロ。ダナンはちょうど中間あたりに位置する、人口約100万人の大都市だ。
経済成長を遂げるベトナムは、市場、商店など、どこも女性が元気に働いていて、その勢いに圧倒される。男性の影が薄いと思うのは私だけだろうか。
写真を撮りながら街を歩いていると、数名の若い女性に取り囲まれた。「どこから来たの」「何をしているの」と矢継ぎ早の質問が終わると、「私たちの生活を見ていって」と彼女たちの寮に連れて行かれた。
彼女たちは、地方から出てきて、ここで暮らす大学生。部屋は2段ベッドが、5つほど並んでいるだけの簡素なものだ。そのベッド内の空間が各々のプライベートスペースでもある。机などは特になく、勉強もそこでするのだという。みんなアルバイトをしながら、質素倹約の生活を送っているが、未来への夢でいっぱいだ。
「写真を撮って」とあちこち引き回され、別れ際「必ず送ってよ」と念を押された。ここにもまた、あのたくましいベトナム女性たちがいた。(公明新聞8月6日付掲載)