公明新聞日曜版に隔週で連載が始まりました。毎回ブログでもアップさせていただきます。
「幸せの国」で一躍有名になったブータン。GDPならぬGNH(国民総幸福量)を国家理念に掲げ、国民の大多数が幸せを感じているという。ずっと行ってみたい国だったが、3年前にようやく願いが叶った。農業中心の自給自足の生活だったが、海外にも少しずつ門戸を開くようになり、いま国民の生活も大きく変り始めている。
国際空港のあるブータンの玄関口、パロは田んぼの広がる、のどかな町。ここで伝統的木造建築の大きな家に暮らす家族と知り合いになった。そのご家族も、娘をよりよい高校に進学させるため、首都のティンプーの親戚の家に住まわせ、祖父、祖母も通院のため、農繁期以外は、ほとんどそちらにいる。大学に進学したい娘の願いを叶えるため、お父さんはアメリカにいる仲間の伝を頼りに、出稼ぎに行くことになった。
元々3世代が賑やかに暮らしていた大きな家は、お母さんと小学生の下の娘の2人暮らしになってしまった。そのお母さんに「こんな状況でも幸せですか」と意地悪な質問をしたら、きっぱりと「幸せです」と答えてくれた。(公明新聞 4月2日付掲載)