写真集「SLがいたふるさとー北海道1973~1980」(冬青社)の印刷が始まりました。
印刷の立ち会いというのは何度か経験がありますが、たいてい最初の何ページかをチェックしたら「あとはこの感じでどうぞよろしく」という場合がほとんどでした。しかし冬青社の高橋社長は「最後までおつきあいいただきます」ということなので今回は丸2日間、ずっと印刷所にこもりました。
なぜずっといるのか、その理由はすぐに分かりました。
何しろ写真一点一点に細心のチェックをして、こまかく指示を出していきます。その際「もう少し」といった、あいまいな言葉はいっさい使わず、職人の方とこまかい数値のデータをやり取りします。これは印刷に関してプロと同等の知識がないとできないことで、そのレベルの高いやりとりにはほんとうに関心してしまいました。
高橋社長は写真集を作り始めた頃、プロと対等の印刷知識がないと、最高の写真集は作れないと分かり、土日はいやがる印刷所を説得してあちこち回って勉強を続けたそうです。今はインクのブレンドを自分で考えるほどのこだわりです。こういうことはふつうの印刷所では経済的に割が合わないので断られるそうですが、凸版印刷にはそれに応えてくれるすばらしいディレクターの方がいました。私も2日間ほんとうによい勉強をさせていただきました。
そんなわけで今回印刷に関しては、今までの写真集の中でも最高のものになったと自負しています。10月中旬には出来上がります。どうぞお楽しみに!

通常よりゆっくりと機械を回していきます

一点一点こまかくチェックします

どうして欲しいか数値で指示を出していきます

職人の方が、その指示を元にインクの具合を調整していきます

表紙カバーの印刷です

仕事も無事終了しました。空にはきれいな雲が