NHKBSで放映中の「オリバー・ストーンが語るアメリカ史」は、アメリカがいかに正義の名の下に罪深い歴史を積み上げてきたかということを、映画監督のオリバーが検証するというひさしぶりにパンチのあるテレビ番組です。
私たちにとっては知っている事実が大半ですが(アメリカ国民はほとんど知らないそうです)、この番組で初めて知った事実などもからめて、時系列に組み上げていくと、あらためてアメリカという国の正体がよく分かります。
第7回の冒頭のマーティン・ルーサー・キング牧師の言葉が心に刺さります。50年近くも前のこの演説の国名をイラクなどに置き換えると、アメリカは正義の名の下にずっと同じことをやっているのだなあという深い焦燥感をおぼえます。
アメリカにとって不都合なキング牧師は、39歳で凶弾に倒れました。
今夜0時から再放送です。
「アメリカの魂を侵している毒は、ベトナムとは無関係ではありません。
社会の向上でなく、軍事力に多額の予算をつぎ込む国は精神の死に近づいていきます。
わが国の対外投資を守るには社会安定が必要だからと、アメリカはグアテマラの国内政治に介入しています。
アメリカ軍のヘリがカンボジアのゲリラを攻撃しています。
ペルーではナパーム弾と特殊部隊を反政府勢力との戦いに投入しています。
人々の気がかりはアメリカが世界の変化をもたらすために組織的な暴力を行使しているのではないかということです。
その問いが胸に突き刺さります。
スラム街での暴力を非難する前に、世界で最大の暴力をふるう者の対し率直に発言しなければならない。
わが政府に対して」