中野のギャラリー冬青の写真展「如是」Nyozeは無事終了しました。
連日の猛暑の中、足をお運びいただいた方々には、心より御礼を申し上げます。
ギャラリーに声をかけていただいたおかげで、私自身思いがけず20年前の写真
と対面することになりました。
そしてつくづく思うことは、写真の世界そのものが、自分が写真を目指した頃
とは、ずいぶん変わったなあという感慨です。
その頃、写真といえばモノクロのことで(カラーで作品をつくる人ももちろん
いましたが)、私の好きなアベドンもペンもニュートンもシーフもドアノーも
カルティエ・ブレッソンもクーデルカもみんなモノクロで作品を発表していま
した。
モノクロこそ写真と、私も何の疑いもなくまっしぐらに突き進んでいました。
そして今、写真はずいぶん遠いところに来てしまいました。
カラー作品は今や圧倒的な質量で、デジタル化の加速で、もはや自分で撮影せず、
ネットから拾った画像にパソコンで後処理をして、作品として堂々と販売してい
る作家もいる今の写真市場です。
そういう私もずいぶん前に暗室作業とはお別れして、パソコンの前でかなりの時
間を過ごしているわけですが…
別に嘆いてるわけではありません。なくなるものはしかたがないと思っています。
諸行無常こそが、この世の定めというものでしょう。
思いがけず20年前にタイムスリップして、さまざまなことが頭の中を駆け巡りま
した。