東京中野のギャラリー冬青で、写真展が始まりました。
20年数前、バブル経済も終わりに近づいたころ、東京から逃げるように日本の各地を旅しました。
今思えば青森の六ヶ所村を通ったとき、核再処理工場の建設計画で、地元には不穏な空気が流れていました。
しかしそのときの六ヶ所村は、失礼を顧みないで申し上げると、この世の果てといった雰囲気で、バブルに浮かれる東京とのあまりの落差に衝撃を受けたことを今でもはっきりと思いだします。
東京でみんなが浮かれているときに、六ヶ所村では苦渋の選択をせまられていたのだと、今になって思います。
私自身が先も見えず、直感にまかせてシャッターをきっていましたが、今みると今の日本を暗示しているようにも映ります。
ただ作品に関して、思想的なアプローチはいっさいありません。見る方がそれぞれの思いを反射させていただければ、それでよいと思っています。
最近の作品をご覧いただいている方には、ずいぶん違う表現にとまどわれるかもしれませんが、そんなことも含めてお楽しみいただければと思います。
(展示点数モノクロ25点)

齋藤亮一写真展「如是 Nyoze」
2012年8月3日(金)〜8月25日(土)11:00~19:00
日曜、月曜、祝日は休館
8月13日(月)〜15日(水)はお盆休み
ギャラリー冬青
164-0011
東京都中野区中央5-18-20
TEL 03-3380-7123
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