雑誌「一枚の繪」今月のアトリエ訪問は橋本弘安さんです。
橋本さんのシンプルで淡い色調の作品から、イメージしていたアトリエは、何もないすっきりとした空間なのかと思いきや、そこはあらゆる素材や機材が所狭しと並んだ、まるで実験室のようでした。
それもそのはず、橋本さんは既成の岩絵の具には飽き足らず、さまざまな岩石や鉱物でオリジナルの顔料を作り出し、作品を制作しているのです。
自然界の石たちが、ミクロの世界で見せてくれる、さまざまな美しい表情を真摯に受け止め、それを作品へと昇華させていく。
効率と経済の話ばかり聞こえてくる今の時代に、こんな方がいてくれるだけで、心が暖かくなります。
相模川の川原と真鶴海岸で拾った石で作ったパステル
石を砕き1/1000ミリのレベルまで細かくする
伊東深水の「聞香」のモデルになったのが橋本さんのお母様