敬愛する漫画家、畑中純さんが亡くなられた。暴れん坊でちょっとエッチな良太が、九鬼谷温泉を舞台に、さまざまな人間ドラマに巻き込まれていく「まんだら屋の良太」は、大人のための童話でした。登場人物がボソリと語る台詞は、まさに畑中哲学で、これにも痺れました。
撮影で仕事場にうかがった折、「こんなのもあるんだ」と見せていただいたのが、自筆による大量の春画。良太やさまざまな女性たちが、所狭しと暴れ回っていて、その枚数たるやただ事ではありません。溢れるマグマのように描いていく、そのエネルギーに圧倒されると共に、作家魂を感じました。これは後に「月光」(モッツ出版 2001年刊 限定2001部)という画集になっています。合掌。
1996年撮影
原孝夫プロデュース「月光」
良太と月子