
渡部雄吉(1924−1993)さんの写真展「海への道」が、東京千代田区一番町25番地のJCIIフォトサロンで開催中です。
渡部さんは戦後のフォトジャーナリズムを牽引された方で、今回の作品は1963年に日本各地の岬を回り、海に生きる人々の力強い姿を活写したものです。
渡部さんには初めてお目にかかったのが、今からちょうど30年前の11月。
大学を卒業したばかりで、まだ半人前のような男に、「旅」という雑誌から撮影の
依頼があり京都へ。ちょうど同じ号の別ページを担当されていたのが渡部さんで、京都のホテルで編集者の方に紹介していただきました。
何しろ初めての仕事で、どう撮影をすすめていいのやら途方に暮れていたので、正直にその旨をお話すると、「じゃあ私がつきあってあげますよ」と半日撮影につきあっていただけたのです。取材先にどうアプローチするのか、渡部さんの一挙手一投足は何よりの勉強になったのは言うまでもありません。
渡部さんは忙しい雑誌取材をこなしながらも、ライフワークに長い時間をかけて取り組んでいらっしゃった姿も忘れられません。

左が渡部雄吉さん(1981年11月)