文藝春秋の季刊誌「嗜み」12号が発売になりました。
今回は俳人の黛まどかさんと福島県の飯館村、宮城県の仙台市、塩竈市、石巻市などを訪ねました。
黛さんは震災後の4月にボランティアで石巻の避難所を訪れていて、飯館村は震災前から村おこしの句碑づくりで深いご縁のある村とのこと。
石巻はがれきの撤去こそようやくめどが立ってきたものの、復興にはまだ時間がかかると思いました。ただ、あれだけのがれきがこうやってかたづいていく様子には、ささやかな希望も感じました。
一方飯館村は今も村民のほとんどが避難していて、本来田畑だった場所に草がぼうぼうと生えていました。数名常駐している村役場の方にお話をうかがうことができました。「除染と言いますが、いくら家のまわりを除染しても、山からは雨のたびに放射線物質が里におりてくるんですよ。この山をすべて除染するなどということが、できるのでしょうか」と疲労を滲ませた表情で語られる言葉を重く受け止めました。
今回ひとつの救いだったのが塩竈の「すし哲」さん。こちらには昨年6月に取材でおじゃましていました。やはり津波の被害を受け、しばらくご苦労をされていたのですが、今は元通りの姿でお店を営業していました。ご主人の笑顔に重い心が溶かされる思いがしました。
黛さんが選者をつとめた飯館村の「あいの句碑」
飯館村役場
石巻市
石巻市
津波から復活した塩竈の「すし哲」さん