雑誌「一枚の繪」6月号のアトリエ訪問は、池田幹雄さんの埼玉県の画室にお邪魔しました。
池田さんは北海道の函館の裕福な家庭に生まれるも、小学校に入ってまもなく、父の事業が失敗し破産。父母は離婚し父に連れられて上京します。しかし母への恋しさが募り、10歳の時たった一人で、住所も知らない母を訪ねて函館にやってきます。
途中いろいろな人の親切を受けて、どうにかたどり着いたものの、寒い冬、夕闇がどんどんせまります。どうしようと途方に暮れていると、何と目の前の窓に野菜の皮を剥いている母の姿が!
少年と母は涙の対面をするも、翌日には父が連れ戻しに来たそうです。
こんなお話をうかがいながら池田さんの作品を拝見すると、池田少年が子供心に焼き付けた、函館の風景が繰り返し描かれているような気がして、胸にジンときます。