六本木の森美術館で開催中の小谷元彦さんの展覧会「幽体の知覚」圧巻でした。
(惜しくも27日まで)
彫刻という範疇には治まりきらない、小谷さんの造形作品の数々は、体のコアの部分に静かに、ときに激しく揺さぶりをかけ、生とは何かを問いかけてくるようです。
小谷さんの作品に私は死の匂いを感じます。しかしそれは忌まわしいものとしての死ではなく、よりよく生きていくためには、すぐ隣にある死というものを、きっちりと見つめていかなければならない、という意味での死であるように思いました。
以前雑誌の企画で、「UNDER COVER」の高橋盾さんがアートディレクションをして、小谷さんの作品をモデルの方に着てもらって,撮影をしたことがあります。
上の作品はオオカミの毛皮を、下は人毛を素材にしたものです。
「BUTCHER SHOPへようこそ」というタイトルで、原宿のショップの中に巨大な骨付きの生肉をいくつも吊るしての、すごい撮影でした。今は亡き川村カオリさんもモデルとして参加してくれました。才気溢れる方々との共同作業はスリリングで、心が熱くなる時間だったことを、今でもよく憶えています。