JTBの月刊誌ノジュールの連載「敗れざる者」今月は元競泳選手で、現在は水中パフォーマーの不破央さんです。
不破さんは小学生の頃から、水泳のセンスが抜きん出ていて、中学1年の時には親元を離れオリンピックを目指して上京。ロス五輪の切符はほぼ間違いないと思われていた高校1年の時、予選会の直前に,工事中のマンホールの蓋が開いていて、そこに落下。怪我で予選を断念するだけではなく、その後の水泳人生にも暗雲が垂れ込め、24歳で引退しました。
もう水泳の世界からは離れようと、青年海外協力隊でグアテマラへ。そこでも待っていたのは、やはり水泳の指導。帰国後は舞台俳優を目指すも、あるきっかけでピエロと出会います。この魅力に魅かれた不破さんは、すぐにピエロの養成学校へ。このピエロと水泳がまたまたシンクロして、水中パフォーマンスという新しい世界を切り開くこととなりました。
これはまた不破さんにとって、早さを競うことでしかなかった泳ぐ世界が、水と遊び楽しむことに変わった瞬間でもありました。
プールのはるか上空を飛んだり跳ねたりする、その躍動美はとても同じ人間とは思えないほどみごとなものでした。