世界の路地裏 42 スペイン・バルセロナ3
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ポンコツ車で、3ヶ月のスペイン一周の旅から無事バルセロナに帰ってきた。運がよかったとしか言いようがない。この車、安いのには訳があることが、後で分かった。100キロ以上のスピードでしばらく走るとエンストを起こすのだ。一旦止まるとしばらく動けなくなってしまう。

スペインの国道はみんな猛スピードで走っている。80キロはノロノロ運転なのだ。この速度をキープするのは、かなりのストレスになったが、仕方がなかった。


この旅の収穫は、写真もさることながら、スペインの人々の人生に対する考えに触れたことだ。それまでの私は「人生は苦労してナンボ」だと思っていた。しかし彼らは「楽しんでこそ人生」という流儀を貫いていた。


当時はバブル期で、お金を使わないと楽しめないと思っていた私には、お金をかけなくても、友人たちと楽しい時間を作り出すスペインの同世代の生き方に、強く共鳴した。

質素な生活と、人生を楽しむことに何ら矛盾はないということを彼らが教えてくれた。


# by saito-r | 2019-01-10 15:33
新年おめでとうございます。
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あけましておめでとうございます。
この子(私)も今月還暦を迎えます。この年まで自分の好きなことを、続けて来られたのも、みなさまの応援があればこそと感謝の気持ちでいっぱいです。
相変わらずの粗忽者ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
今年もみなさまにとって、幸多き一年でありますようお祈りしています。

# by saito-r | 2019-01-01 18:55
世界の路地裏 41 スペイン・バルセロナ2
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スペイン語が多少分かってきたので、次は撮影旅行の準備だ。まずは足を確保しなければ。撮影での移動に、自動車は不可欠だ。車内に寝泊まりすれば、宿代も浮く。幸い中古車も日本に比べると随分安かった。


タブロイド紙の「売ります」欄をチェックし、めぼしい物件があれば、電話をかけ、個人のお宅まで現物を見に行く。何度か繰り返すうち、スペイン製の大衆車に行き着いた。10万円という値段が魅力だった。


お金を払い、キーを受け取ると、そのまま乗って帰る。こんな簡単でいいのか。それより肝心なことを忘れていた。実はその当時、免許取得以来、ほとんど運転経験がなかった。しかも左ハンドル!


スペインは、イタリア、フランスと並ぶ、運転のワイルドさでは欧州トップスリーだ(私見ですよ)道路に出た途端、ノロノロ運転の私の車は、後続車に煽られたり、追い越しをかけられたり、生きた心地もしなかった。

自宅前に着いた時は、冷や汗びっしょりの放心状態。生きて日本に帰れないかもしれないと心底思った。


# by saito-r | 2018-12-13 09:04
世界の路地裏 40 スペイン・バルセロナ 1
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20代半ばを1年間過ごしたバルセロナは第二の故郷だ。スタジオマンで蓄えた資金を懐に、とにかく行ってみた。世界を回るカメラマンにスペイン語は必須に思えたし、何より海外で物怖じしない度胸をつけたかった。

 

初めてのヨーロッパでは、重厚な街並みに圧倒された。木造アパート暮らしの若者には、歴史の底力を見せつけられる思いだった。しかも道ゆく女性がみんな綺麗なこと!

 

知人の紹介で安アパートを借り、1日5時間コースの語学学校の手続きをした。この学校はスペイン語しか使わず授業をするのだが、母国語に一旦翻訳するより、体によく染み込んだ。ただしその日に出た単語は翌日までに覚えていないと、次の授業についていけないというスパルタ式だ。毎日何十もの単語暗記があり、頭が破裂しそうだったが、一ヶ月後には日常生活に不自由はなくなった。

 

頭が痺れた時は、細い路地の入り組んだ旧市街を散歩する。そこは庶民の生活の匂いに溢れた、ネオリアリズモ映画の世界。人の暮らしはどこも変わりはないのだと教えてくれた。



# by saito-r | 2018-11-23 09:12
世界の路地裏 39 ロシア・イルクーツク
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かつて撮った写真を見返して、「本当に自分が撮ったのか」と思うことがある。自画自賛ではない。いい写真が生まれる時は、自分の能力を超えた大きな力が働いていると言うことだ。アスリートがよく言う「ゾーンに入る」という感覚に近いかもしれない。集中力が高まり、自意識など遠くへ飛んでいってしまった時、予想もしていない映像が、向こうからやって来る感じだ。ロシアを旅した時も幾度かこんな感覚に襲われた。

イルクーツクはシベリアの中心都市。冬はごく普通にマイナス20度ぐらいになる。驚くのはこんな寒い中でも、市民はしっかり着込んで、ゆったりと散歩を楽しんでいることだ。なんという豊かな時間だろう。
感動に立ち止まりカメラを構えていると、足の裏から底冷えがじわじわと這い上がって来る。寒さのあまり意識がぼんやりとして来るほどだ。歩き続けていないと、体温の保持ができないのだ。

今日も絶妙のタイミングで、人々が登場する。辛い寒さも吹き飛ぶ嬉しい瞬間だ。(公明新聞9月30日付掲載)

# by saito-r | 2018-10-02 17:24


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