アゼルバイジャンと言っても?という人が多いだろう。カスピ海の西に面する、油田の国だ。私が行った1999年は、ソビエト連邦から独立して8年目の年だった。同じ独立国のアルメニア、グルジア(現ジョージア)を回り、次に訪れたのが、アゼルバイジャンだ。前の2国はキリスト教、そしてここはイスラム教で、国民の気質も随分違う。こんな異国同士が同じ国として成立していたのも不思議な気がする。
グルジア国境からは、1時間ほどの手続きで入国。車とドライバーは事前に雇っているので、待っているはずだ。この時間が結構緊張する。もし手違いで誰もいないと、何もない国境で1人取り残されることになる。幸い今までそんなことは1度もなかった。
この日は私の父ほどの年齢のドライバーが待っていた。車は旧ソ連製の年季モノ。私が息子ほどの若造だと知ると、彼は急に家父長的な尊大な態度に変わった。ドライバーとのコミュニケーションは写真に大きく反映する。ヤレヤレ。何事もないといいけれど。