世界の路地裏5 キューバ・ハバナ
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一昨年、キューバとアメリカの国交回復の知らせに、時の流れをしみじみと感じた。20年前に初めてキューバを訪れた時、国家指導者のフィデル・カストロは、ソビエト連邦という大きな後ろ盾を失っても、アメリカに対する強気の姿勢を崩してはいなかった。
とはいえ国民は大変だ。停電は日常茶飯事で、慢性的な物不足。建物はメンテナンスもできずボロボロだ。かつてアメリカと国交があった頃に走っていた、1950年代のアメリカ車が、修理を重ね大切に乗り継がれ、街はさながらビンテージカーの展覧会だった。
こんな状況でも、街の空気は明るく、路上演奏者たちの楽器の音色が街を華やかにしていた。カメラを向けると、みんなとびきりの笑顔をかえしてくれた。街で出会った少女に、写真を撮らせてと声をかけたら「ちょっと待って」と家に入って行った。戻ってきた少女は、メークをし、カーニバルの衣装を着て、キュートなレディーに変身していた。「こんな感じはどお?」ビンテージカーの上のポーズはご覧の通りである。(公明新聞6月4日付掲載)

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# by saito-r | 2017-06-07 15:34
世界の路地裏4 ロシア・スーズダリ
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ソビエト連邦が消えるなんて、誰が思っただろう。
かつて宇宙に初めて人を送り、イデオロギーと核競争でアメリカと対峙していた超大国だ。ソ連邦崩壊後の1991年に、新生ロシア共和国は船出を始めた。

当時日本のテレビでは、混乱するロシア国民の生活ぶりが、毎日のように伝えられていた。激しいインフレと物不足。食料を買うために長い行列をつくる人々。
何はともあれ、現場をこの目で見てみよう。東の玄関口、ウラジオストックから、シベリア鉄道で途中下車しながら、西へ向かう旅程を組んだ。
厳しい旅を覚悟したが、ロシアに着くと、街の空気が思いの外穏やかな事に驚いた。貨幣経済の混乱はあるものの、むしろ監視社会から解放された、清々しい空気を感じた。

スーズダリはモスクワから北東約200キロ。古い教会や修道院が数多く残る、ロシアの原風景のような美しい村だ。ここにいると、日本で見たあの映像は何だったのだろうと、思わずにはいられなかった。2人の背中に未来の幸せを祈った。(公明新聞 5月21日付掲載)

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# by saito-r | 2017-05-24 17:56
雲の眺め
そろそろ入道雲の季節ですか。
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# by saito-r | 2017-05-19 14:38
世界の路地裏 3 インド・コルカタ

デジタルカメラが一般的なものになって、まだ十年ほど。当時「デジカメを買ったらインドに行ってみよう」と自分で決めていた。インドは敬して遠ざけていた国。これまで数多くの写真家が、素晴らしい作品を残している。今さら私が出かけても、という思いがあった。でもデジカメとインドがどんな化学反応を起こすのか、これは興味深々だ。

フィルムカメラには「やせ我慢の写真術」が求められる。むやみやたらとシャッターを切れない。これは旅に持って歩けるフィルムの数が限られていることと、フィルム代などの経済的側面もある。一度でいいから心ゆくまでシャッターを切ってみたい、写真家はみんな思っていたはずだ。デジタルはそんな願いを叶えてくれた。

インドは富裕層と庶民の居住区がはっきり分かれている。私が向かうのは後者。ここは今、急速な経済成長で活気に溢れている。路上はさながら生きた劇場で、個性溢れる登場人物が、次から次と現れては消えてゆく。私はデジカメで、思う存分シャッターを切る喜びを味わっていた。(公明新聞 4月30日付掲載)

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# by saito-r | 2017-05-03 15:47
世界の路地裏 2  中国・重慶
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2008年の北京オリンピックを前にして、中国全土は建築ラッシュに沸いていた。古い家屋は情け容赦なく破壊され、高層ビルがニョキニョキとその姿を現していた。路地裏が大好きな私は「今、記録しておかねば」という焦燥に駆られ、古い街並みを求めて、中国全土を駆け回った。

最初に訪れたのが重慶。水運の大動脈長江と嘉陵江に挟まれた、中洲の斜面に広がる街並みは、きっと素晴らしいはずだと、地図や写真で見当をつけた。訪れると、まさに今、破壊と建設の真っ只中。広がる瓦礫の空虚な空間の向こうに、無機質な高層ビルが立ち始めていた。幸い古い街並みもまだ残っていて、迷宮のような路地裏をひたすら歩き続けた。

そこは老若男女、生活者の熱気が溢れかえっていて、夢中でシャッターを切った。幼児のズボンのお尻の穴は、素早い排尿排便の為と知った。食事前の時間は、そこかしこの台所から、唐辛子たっぷりで炒めた、四川料理の煙が路地中に溢れる。これをうっかり吸い込むと、あまりの苦しさに悶絶しそうになるのだった。(公明新聞 4月16日付掲載)



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# by saito-r | 2017-04-18 17:20



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