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淡交社 なごみ 9月号 鬼海弘雄さん
今月の「今、華の人」は写真家の鬼海弘雄さんです。
鬼海さんは浅草に集まる人々のポートレートや、インドやトルコの人々を情感溢れるモノクロ表現で、みごとに描き出す私も尊敬する先輩です。
その滋味深いお話に、写真は哲学だなあとしみじみ思います。

大学時代の恩師が買ってくれたという30万円のハッセルブラッド(スウェーデン製の高級カメラ)を40年たった今も大切に使い続けているそうです。
鬼海さんの写真を見ていると「そんなに急いで、どこへ行くんだい」という声が私には聞こえてきます。
変転激しい今の世に、ずっと変わらないスタンスで、どんな時代にも通用する普遍的な作品を作り続ける鬼海さん。教わることがたくさんありました。
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  鬼海さんのホームグラウンド、浅草の浅草寺で愛機ハッセルブラッドと共に
 
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by saito-r | 2013-08-27 16:54
NHK短歌9月号
高野公彦さん選巻頭秀歌より


台風の目に入れば空気は濃く重し静かに庭の薔薇散りにけり
川涯利雄「風の丘」
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樹は大樹、木は若木、風に鳴る木群目に描きつついとしみて書く
山本かね子「花遊行」
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<授乳中のみよより>と来て<婚活中のふきより>と打つ仕事中だよ
水上芙季「静かの海」
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by saito-r | 2013-08-20 17:24
「おさむ絵の世界 阿寒から波田へ」朝日美術館
長野県の朝日村の朝日美術館であべおさむさんの展覧会が開かれています。
あべさんとは5年前偶然知り合いになりました。
その頃あべさんは北海道の阿寒町で喫茶店を営みながら、こつこつと絵を描かれていました。
地元のタウン誌で見つけ興味を持って、さっそくその喫茶店にでかけました。
そこは喫茶店というよりアトリエといった雰囲気で、あべさんの絵が展示されていました。
夕方のきれいな西日が差し込む中、当時小学生だったお嬢さんがソファですやすやと眠っていて、そこはあべさんの絵の世界そのものでした。
3年前ご縁があって奥様のふるさと長野県の波田町に家族で移られたとのこと。
北海道の頃の絵も大好きでしたが、信州に移られてからの作品には大きな包容力のようなもを感じてもっと好きになりました。
チェルノブイリの事故のあと、奥様とたった2人で日本の原発を回って反原発運動をしたという気骨の持ち主でもあります。

これから先どんな作品に出会えるのかとても楽しみです。

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あべおさむさん

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新村駅 2011年

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一本杉のある店 2011年

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お醤油作り 2013年

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朝日美術館
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by saito-r | 2013-08-18 17:37
「賢治+司修 注文の多い展覧会」県立神奈川近代文学館
ここ数日、西東京市では夕方になるとこの世の終わりのような雷や豪雨に見舞われていますが、みなさまのところは大丈夫ですか。このところの異常気象はオゾン層に開けてしまったオゾンホールのせいで、宇宙空間の影響をマトモに受けるようになったからではないかと、シロウトの私はかってに勘ぐっているのですが、専門家の方どうなんでしょうか。

ところで横浜の県立神奈川近代文学館で開かれている司修さんの絵本原画展は圧巻でした。今回は宮沢賢治の絵本だけを集めたものですが、驚くべきは一冊一冊にすべて違った表現技法が使われているということです。
CG、油彩、水彩、エッチング、パステル、ポスターカラー、etc.とまるで挑みかかるようにさまざまな表現にチャレンジし、しかもそれらをすべて自家薬籠中の物とされ司作品へと昇華されています。
天才などという言葉は軽々しく使うべきではないのでしょうが、司さんにはこの言葉しか思いつきません。
9月29日までです。一人でも多くの方に見ていただきたいと思いました。
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     猫がお出迎え

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「グスコーブドリの伝説」より
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by saito-r | 2013-08-14 17:58
魯山人のことば。足立美術館にて
ぶらりと立ち寄った島根県の足立美術館。
魯山人の展示室で出会った言葉です。
魯山人ってただのへそ曲がりのオヤジかと思っていましたが、なかなかどうしていいこと言うなあ。

「個性だとか、創作だとか、口でいうのはやすいことだが、現実に表現が物をいうようなことは、なまやさしい作業でなし得られるものではない。さあ自由なものを作ってみろと解放されたとしても、決して自由はできないものである。第一過去の人間が作った美術に充分心眼が開かなくては、かなわないことである。過去といっても千年も二千年も前からの美術、芸術に眼が利かなくては、かなわないことなのである。食器師だからというので陶器ばかり観ているぐらいの注視力では乙な器は生まれるものではない。三百年前の茶碗が作りたければ、千年前の美術が分からなくてはかなわぬものである(後略)」

「私は世間のみなが働きすぎると思う一人である。私は世間の人がなぜもっと遊ばないのかと思っている。画でも茶事でも雅事でも遊んでよいことにまで世間は働いている。なんでもよいから自分の仕事に遊ぶ人が出て来ないものかと私は待望している。
仕事に働く人は不幸だ。仕事を役目のように終えて,他のことの遊びによって自己の慰めとなす人は幸せとはいえない。政治でも実業でも遊ぶ心があって余裕があると思うのである」

嗚呼、実に耳が痛い。
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by saito-r | 2013-08-09 22:12
「SLがいたふるさとー北海道1973~1980」
以前にもお知らせした新しい写真集の制作が進んでいます。
「SLがいたふるさとー北海道1973~1980」というタイトルに決まりました。
私が大学時代に撮った写真を中心に、古いものは中学生のときの写真も出てきます。
撮った時にはあまりにも日常的な写真だったので、そのままネガケースにしまったままだったのですが、30年以上も過ぎると日常だった光景も、もはやどこにも存在しない貴重な記録になるのだと、この写真を通して教わりました。
20歳の齋藤クンを54歳の私がプロデュースするという不思議な構図です。

今回特筆したいことは、この本の印刷技術に関してです。
通常印刷物はどこまでオリジナルに近づけられるかを基準に作業が進められますが、今回の出版元の冬青社はまったく考え方が違います。高橋社長は「オリジナルを超える印刷」を目指している方で、以前からどうしてオリジナルのプリントより本のほうがきれいなのか、ずっと謎でした。(印刷の常識では考えられないことなのです)
その秘密の一端が今回分かりました。

高橋さんは私がネガをスキャンして時間をかけてパソコンで画像処理したプリントを見て、「今回はネガのスキャンからやりましょう」というのです。私にとっては印刷屋さんの最高品質のドラムスキャナーを使っていただけるのは願ってもないことなのですが、問題はその後の100枚にものぼる画像処理をいったい誰がやるのかということです。つまりスキャンしたままの画像はそのままでは印刷原稿として使えないのです。(ちなみに私はこの作業に一ヶ月近くを費やしました)

そんな私の心配をよそに「大丈夫です」とにこやかに答える高橋さん。
かりにそれをやってくれるところがあっても、天文学的経費が請求されるのではないですかと問う私にやはり「心配ありません」。
これらの心配を一手に引き受けてくれたのが凸版印刷の杉山さんという方でした。
杉山さんは高橋さんのどんな過酷な注文にも応えてくれる、すご腕のプロフェッショナル。このコンビはどんな困難も乗り越え、印刷技術を高めてきた理想のパートナーです。

私の心配は杞憂に終わりそうです。
初校であがってきた印刷はそれはみごとなものでした。
とにかくいいものを作ろうという今回のみなさんの職人気質に感動です。
ブックデザインは「フンザへ」「Lost China」の高崎勝也さん。

最高の布陣に恵まれ、20歳の齋藤クンは幸せものです。
この写真集は来月には印刷が始まり、10月にはみなさまにお届けできると思います。
写真とともに「世界最高」の印刷を目指すプロの技をお楽しみいただければと思います。

高橋さんの熱い思いはぜひこちらを!http://tosei-sha.jugem.jp/?eid=1231

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by saito-r | 2013-08-04 16:52



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